昨年の3月に結成された「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」というものがありました。その後、国会情勢が動いて、「アイヌ民族先住民族認定決議」へと至ります。で、この議員の会はその後特になんの活動もしていないようだったので、決議を挙げるだけで消滅したのかと思いきや、まだ存在していたようです。
というか、有識者懇での議論が終われば、具体的な政策議論は政府や国会の場にうつるので、再びこの会が動き出すのでしょうか。どういう動きをするか注視しておく必要があると思います。
以下に関連記事と関連ブログ記事です。
◆アイヌ政策の立法求め決議 超党派の会 (07/16 08:34 北海道新聞)
超党派の国会議員でつくる「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表・今津寛自民党道連会長)は15日、衆院議員会館で総会を開き、道アイヌ協会と道が国に求めているアイヌ政策の推進について、立法措置も含め、国の責任で推進するよう決議した。衆院の解散前に、決議文を河村建夫官房長官に手渡す。
立法措置の必要性については、政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」も、29日に提出する最終報告書に盛り込む。
◆道アイヌ協会 来年度予算への反映要請へ
(朝日新聞2009年07月14日)
■文化啓発活動費など
北海道アイヌ協会は、15日に都内で開かれる「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(超党派46人の国会議員で構成)の総会で、アイヌ文化・アイヌ語の啓発活動を後押しするための事業費を、国の10年度予算にも十分反映させるよう求める方針を決めた。また、解散・総選挙をにらみ、アイヌ政策が次期政権にも継続されるよう河村官房長官あてに要請するという。
今後のアイヌ政策を巡っては政府の有識者懇談会が議論しており、29日に政府への報告書をとりまとめ、河村官房長官に提言する。
これに先立ち、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長と高橋はるみ知事が15日の議員の会に出席し、有識者懇への要望を伝えることにしている。アイヌ協会の要望事項は、加藤理事長があいさつで触れる。高橋知事も、アイヌ民族が先住民族だという基本理念の下、アイヌ民族に対する生活・教育支援の根拠となる立法措置の必要性を求める。
◆2009年7月16日 (木) アイヌ民族の権利確立を考える議員の会が開催
(参議院議員松岡徹公式ウェブサイトより)
090715_2 7月15日、「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」が開催されました。従来、北海道選出の国会議員を中心に運営されてきましたが、昨年衆参両議院において採択された「アイヌ民族を先住民族であることを求める決議」をふまえ、北海道以外の選出議員にも入会が呼びかけられ、私も呼びかけに応じたところです。この日の会合では、北海道アイヌ協会の加藤忠理事長(写真右端)らから、アイヌ施策の推進について当議員の会への要望も受けました。
会合では、はじめに今津寛衆議院議員(自民)からあいさつがあり、昨年国会決議があがって以降、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が計9回、精力的に開催され、現地視察やヒアリングが行われた内容が内閣官房アイヌ政策推進室から報告され、7月29日に報告書がとりまとめられるとの説明がありました。とりまとめの方向としては、アイヌ民族が先住民族であることを確認し、国連宣言の意義を考慮した上で、具体的政策として教育・啓発、民族共生の象徴となる空間の整備、アイヌ文化の振興、土地・資源の利活用、産業振興・生活向上関連施策、国の体制整備等があげられているようです。
その報告を受け、高橋はるみ・北海道知事、そして加藤忠・北海道アイヌ協会理事長から、アイヌ施策の推進について当議員の会に要望(要請文は下記参照)がありました。
特に国会決議を踏まえ立法措置を早急に求められるとともに、「アイヌ民族の日」の設定、共生の象徴となる施設の設置、全国調査の実施と個人認定方法の検討、文化振興策の充実等を強く訴えられました。
加藤理事長からは、議員の会への要望に先立ち、河村建夫官房長官に政府の窓口の設置をはじめ、立法措置・実態調査の実施、予算措置等を強く要望してこられたことが報告されました。
会には民主党の鳩山由起夫代表も出席。昨年国会決議があがって少し安心してしまったところがあったが、政治主導で立法措置を超党派で取り組みたいとの決意が述べられました。また鈴木宗男衆議院議員はじめ、多くの議員から、衆議院選挙は8月末まで行われないが、概算要求をあげて、しっかり予算に盛り込むべきとの指摘・要請がなされました。
最後に北海道・アイヌ協会からの要望をふまえ、立法措置および早急に取り組むべき施策についての要望内容を議員の会として文章化し、決議文として作成し、衆議院が解散される前に河村官房長官に提出することが確認されました。
アイヌ民族の権利確立のため、実態調査・立法措置の実現にむけ、私も努力していきたいと思います。また、これらアイヌ民族の権利確立をはじめ、総合的に人権課題に取り組む省=人権省(仮称)の設置が是非とも必要と考えます。その実現にも取り組んでいきたいと思います。
(参照)
「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」への要請
「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」は、来る7月29日の会議を最終とし、内閣官房長官へ報告書を提出する予定です。
北海道及び北海道アイヌ協会としては、報告書提出後、引き続き内閣官房に事務遂行機能などを置きながら、国において早急に、次の事項に着手されることを望んでおります。
アイヌ施策の推進につきまして、議員の皆様のご理解、ご支援を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
平成21年7月15日
社団法人 北海道アイヌ協会 理事長 加藤忠
北海道知事 高橋はるみ
記
1 立法措置
平成20年6月6日に衆参両議員において採択された「アイヌ民族を先住民族であることを求める決議」の基本事項を踏まえ、
・アイヌ民族を日本の先住民族として認めること
・アイヌ民族に対する総合的な施策は国の責任で推進すること
・民族の共生という基本的な理念について国民理解を促進すること
・アイヌ政策を統括して推進するセクション及びアイヌ政策を継続して審議する機関を設置すること
などを盛り込んだ法律を制定すること。
2 早急に取り組むべき施策
(1)国民理解の促進
学校教育を通した理解の促進や、「アイヌ民族の日」を設定するなどの全国規模の恒常的な啓発活動により、アイヌ民族についての国民理解の促進を図ること。
(2)アイヌ民族との共生の象徴となる施設の設置
国家的見地からの国営公園等を核として、遺骨の慰霊や文化の振興、研究、展示などを一体的に行い、広く国民の理解促進が図られる、アイヌ民族との共生の象徴となる施設を設置すること。
(3)全国調査の実施及び個人認定方法の検討
生活の向上を図る施策の全国展開に結びつくよう、全国調査を実施するとともに、施策の対象となる人たちを個々に認定する手続き等に関し、透明性や客観性のある手法を検討すること。
(4)文化振興施策の充実
文化振興については、平成9年に制定されたアイヌ文化振興法に基づき進められてきているが、アイヌの伝統的生活空間(イオル)再生事業の国直轄化による整備を促進するとともに、国が主体となって(財)アイヌ文化振興・研究推進機構の推進体制を強化すること。
(5)道が推進しているアイヌ施策への支援
現在、道が国の支援を受けながら推進している各種施策に対して、今後とも一層、支援の充実に努めること。
2009年 7月 16日 午後 01時18分